PLA

PLAとは?

PLA樹脂は、約20年前に開発された植物由来のプラスチックです。
プラスチック材料の中では比較的新しい種類に分類されます。もともとプラスチックは石油から生成されていますので、石油化学製品とも言われています。
しかし、昨今の環境保全や地球温暖化・化石燃料の枯渇などの問題があり、時代の流れからPLA樹脂は石油由来に変わる存在をして作られました。
PLA樹脂はポリ乳酸の頭文字をとった略で、トウモロコシやジャガイモなどに多く含まれているデンプンなどの植物由来成分で作られているプラスチックです。
工業用のプラスチック素材として幅広く使用されてるABS樹脂の変わりとなる目的で開発されたのです。

PLAが使用される場面

多くの製品に使用されており、工業分野での活用が目立っています。
フィルムとして加工されることが多く、食品関係、医療分野、電子機器などの生産で使用されています。
以前は熱に弱い素材として使用される分野は限られていましたが、加工の仕方によって熱に強く劣化しにくいものとすることが出来るため、耐久性を重視した加工がされています。
熱への耐久性が実現できたことによって熱を発生しやすい機械類の内部にも使用されるようになりました。

PLAの使い方

樹脂として扱われることが多いため、熱で溶かして使用します。
一般の生活ではPLAを加工することはありませんが、工業分野にて広く扱われています。
生活の中ではPLAで作られた製品を使用する機会も多く、食品を保存する際のラップや農業用のシートとして使われることが多くあります。

PLAが使われる製品

PLAはフィルムとして流通しており、身近な製品としては食品用ラップ、トレイ、包装用のフィルム、レジ袋として使用されています。
農業の分野ではビニールハウスのシートや防草シートなどで使われており、PLAを使って作られた製品を目にする機会はとても多いです。

3Dプリンタの材料としてのPLA

PLAはデスクトップ用の小型3Dプリンタの印刷材料として、ABSと共に採用されることが多いです。
3Dプリンタの材料としてのPLAはフィラメント(糸)状にしてロールに巻きつけられた状態でになっています。
フィラメントは、ヒーターに取り込まれ徐々に溶かされてノズルの先端から押し出され、一層一層成型されてゆきます。

造形されたPLAの強度は高いものの、ABSと比べるとややもろさがあり、落としたりして衝撃が加わるとその部分が欠けやすいです。

ABSに対して特に優れているのは、高精度の造形を行いやすいことです。
熱収縮率の低いPLAは、エンクロージャー(囲い)による周囲温度の管理や造形台温度の必要性が少なく、開放型の3Dプリンタでも造形不良を生じることが少ないです。
また、入力した3Dデータに対する寸法の誤差も生じにくいです。

材料をノズルから射出直後に冷却しても造形不良を起こさないことから、オーバーハング形状(ひさし上に張り出している形状)を支えとなるサポート材なしで造形しやすいです。そのため、サポート材なしで造形可能な形状の幅がABSより広く、サポート材除去の手間、サポート材除去時に造形物へ傷をつける危険を減らすことができます。

また、生体分解性があるため環境負荷が低いことも特徴です。PLAは地中に埋めておくことで自然に分解されます。

 

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