アクリル

アクリルとは

アクリル樹脂が基本となっており、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体で、透明度の高い合成樹脂です。
透明個体材はアクリルガラスあるいはアクリル板とも呼ばれています。
一般的な樹脂の中では、優れた耐候性を示し、そのため鋼板や他の樹脂板の上にコーティングやラミネートされて、屋外用途にも広く使われています。

アクリルが使われる場面

ポリメタクリル酸エステル樹脂は高い透明性と耐衝撃性があり、熱可塑形成・着色が容易であるため、無機ガラスの代用品として建築や日用品などに利用されています。
最近では、無機質なガラスでは困難とされる厚さや形状の頑丈な有機ガラスが実現し、水族館での大型水槽や家庭用の大型水槽にも利用されています。
アクリル酸エステルを液状やワックス状に重合させた製品は、着色性が良いことによってアクリル樹脂塗料の原料としても広く使用されています。
小学生などが使う絵の具に水性アクリル絵の具がありますが、これはアクリルエマルションを用いた絵具です。
また、アクリル樹脂のエマルションは接着剤としても用いられています。

アクリルの使い方

ポリメタクリル酸エステル樹脂の高い透明性と耐衝撃性の特性を生かし、建築や乗り物の窓材や、カーポートの屋根材としても使われています。
ガラスよりも加工がしやすい素材として用いられることが多く、熱で溶かして型に流し込む方法や曲げて加工が行われます。
一般的にはアクリル板をカットして使うことが多く、様々なデザインを施して熱を加えて強度を増し、アクセサリーや小物に加工して楽しむこともされています。

アクリルを使って作られたもの

家電製品では、照明器具のカバーや冷蔵庫の棚板に使われ、商業用としては提灯看板などにも使われています。
また、道路標識などにも用いられています。
最近では、ガラスケースの代わりにディスプレー用の陳列ケースなどにも使われており、万が一、倒れたり、人がぶつかっても割れない或いは割れても怪我をしないように安全性を考えて使われています。その他、腕時計の防風カバーなどに使用されるなど、用途は多岐にわたります。
特殊な例として、戦時中には航空機の風防にも用いられ、21世紀になる現在でもF-15戦闘機のキャノピーの素材は強化アクリルガラスです。

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