はんだごて
はんだごてとは
はんだごては、はんだを熱によって溶解させ、接合させる(はんだ付け)ために用いる工具です。
電子工作において、回路や電線を電気的に結合するために多用される必需品です。
はんだごての選び方
電子工作の必須アイテムであるはんだごてですが、どんなものを選んだらいいのか、はんだごて売り場の前で途方に暮れた方も多いのではないでしょうか。多くの工具がそうであるように、はんだごてにも適材適所というものがあります。長く使うものですから、以下のポイントを参考にして電子工作で使いやすいはんだごてを選んでくさい。
・ヒーターの種類
はんだごては、熱源となるヒーターの種類によって、セラミックヒーター式とニクロムヒーター式の大きく2種類に分けられます。セラミックヒーター式は、通電してからはんだ付けができるようになるまでの時間が短く、またはんだ付け中の過熱の心配が少ない、温度低下からの回復が速いなどの特長があり、長時間能率的な作業が行えます。はんだ付けがおぼつかないようでは電子工作をじっくり楽しむこともできませんから、趣味の電子工作であってもセラミックヒーター式のものを選ぶとよいでしょう。
ニクロムヒーター式は、長時間ストレスなくはんだ付けを行えるかという点では、セラミックヒーター式と比べてやや劣ります。ただ、セラミックヒーター式よりも安価(高くても1000円程度)なので、夏休みの宿題のキット工作、古い家電製品やおもちゃのちょっとした修理等、年に数回出番があるかないかという利用頻度の場合はお勧めできます。
・ワット数
はんだごての「20W」「40W」といった表示は、ヒーターのワット数(消費電力:こて先を加熱する力)を表していて、ワット数が大きいほど熱量がたくさん必要なもののはんだ付けができます。電子工作では、プリント基板のはんだ付けや、小型のスイッチやコネクタの配線作業のはんだ付けがほとんどですから、15W~30Wのもので十分対応できます。真空管アンプの製作になると、一般に配線材が太かったり、大型トランスや足の太い部品のはんだ付けがありますから、60Wクラスのはんだごても用意することになります。
・こて先の形状
電子工作の入門書では、「こて先はコーティングされているものがよい」と注釈が付いていることがあります。セラミックヒーター式はんだごてのこて先は、特殊コーティングされていることが普通ですからこの点は特に気にする必要はありません。問題はこて先の形状です。はんだごては用途に応じてこて先を交換できるようになっています。はんだごてを買ったときに付いてくる鉛筆形状のこて先はいわば万能型であり、はんだ付け対象によってはこて先を交換した方が効率がアップすることがあります。
プリント基板のはんだ付け、特にチップ部品等の表面実装部品のはんだ付けを行う場合は、斜めにカットした形状のこて先が使いやすいようです。鉛筆形状よりも接触面積が大きく、熱量をより効率的に対象に伝えられるためにこのような形状になっています。最初からこの斜めカット形状のこて先の付いたはんだごてもあり、こうしたモデルも購入の選択肢に入ってきます。鉛筆形状のこて先でも全く問題はないのですが、こて先は用途に応じて交換するものだ、ということは覚えておくとよいでしょう。なお、こて先を交換する場合は、使用しているはんだごてに適合したこて先、つまりメーカーオプションとして用意されているものの中から選ぶようにします。
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