LED

LEDとは

各種パイロットランプやイルミネーションとして、電子工作に欠かせない部品がLED(エル・イー・ディー、Light Emitting Diode)です。LEDは電流を流すと「発光」しますが、豆電球と違って単純に電池につなげはよいというものではありません。誤った使い方をすると簡単に壊れてしまいますから、正しい使い方をマスターしてください。


LEDの種類

電子工作で使うことの多い3mm径や5mm径のいわゆる「砲弾」型のほかに、プリント基板に実装する超小型のチップ型、大電流を流せて非常に明るいパワー型、数字を表示するための7セグメント型、電子看板などに使われるドットマトリックス型などがあります。発光色は、赤、橙、黄、緑、青、白などがあります。目には見えない赤外線を発光するLEDもあり、家電製品のリモコンなどに使われます。


LEDの極性

LEDは「発光ダイオード」とも呼ばれるように、一般のダイオードと同様に極性があります。電流が流れる向きは、アノード(A)→カソード(K)の一方向です。必ずアノード側がプラス、カソード側がマイナスになるように接続します。逆に接続すると光らないばかりか、一般のダイオードと比べて逆電圧の最大定格が低いので、LEDを壊してしまうこともあります。砲弾型LEDの場合、足(リード線)が長い方がアノードです。樹脂内部のフレームの形状からは、極性を判断できないので注意してください。


LEDの順方向電圧

LEDはある電圧以上で電流が流れ始めて「発光」を始めます。この「ある電圧」をLEDの順方向電圧(VF)といいます。VFは発光色で異なるほか、個々の製品によっても異なるので、厳密にはデータシートでの確認が必要です。アマチュアの電子工作的には赤・橙・黄色は2V、青・白色は3~3.5Vと覚えておけばよいでしょう。緑色はちょっと曲者で、赤色と同じ2Vのものもあれば、青色と同じ3.5V以上の製品もあります。面倒でもデータシートで確認するようにしてください。


電流制限抵抗

LEDは単純にアノードをプラスに、カソードをマイナスに繋げは光るというものではありません。LEDは流せる最大電流が決まっていて、LEDを電源に直結すると過電流が流れてLEDを破壊してしまいます。普通のLEDに流す電流は数mAから20mA程度ですから、この範囲内の電流に制限する「電流制限抵抗」をLEDと直列につなぐようにします。定電流ダイオード(CRD)で電流を制限する方法もありますが、CRDは高価(といっても数十円)なので通常は抵抗を使うことが多いようです。


電流制限抵抗の計算例

電流制限抵抗は次式で求めることができます。

 電流制限抵抗=(電源電圧-LEDの順方向電圧)÷LEDに流す電流

例えば、電源電圧が6V、赤色LED(VF=2V)に5mAの電流を流したい場合は、(6-2)÷0.005=800Ωとなります。計算どおりに800Ωの抵抗である必要はなく、入手しやすい820Ωの抵抗を使用しても問題ありません。

LEDに流す電流は、過電流にならない範囲で、好みの明るさになるように決定します。電池を使った工作の場合、電池の消耗を抑えるために多少暗くなるのは我慢して、電流を少な目に設定するのはよく使うテクニックです。

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