プリント基板

プリント基板を言葉で説明すれば「絶縁性のある樹脂板の上に銅箔で配線図を描いたもの」となります。この上にIC、トランジスター、抵抗、コンデンサなどの部品をはんだ付けして電子回路を構成します。英語ではPrinted Circuit Boardといい、頭文字をとってプリント基板を「PCB」と略称することがあります。


プリント基板の特徴

部品間の配線は銅箔の「プリントパターン」として既に描かれているので、部品を取り付けてはんだ付けさえすれば配線作業はほぼ完了します。部品の取り付け場所や向きさえ間違えなければ、誰がはんだ付けしてもスピーディーに同じ成果物が得られます。一度パターンを作ってしまえば何枚でも同じ基板が作れることもあり、電気製品の量産には不可欠のキーパーツとなっています。アマチュアの電子工作においても、書籍や雑誌の製作記事に掲載されている基板パターンを写し取ってプリント基板を自作することがあります。


プリント基板の作り方

プリント基板は下記概略に示すように、いくつもの工程を経て作られます。市販のプリント基板製作キットなどを利用すれば、家庭でもプリント基板を作ることができますから、挑戦してみるのもよいでしょう。

(1)回路図からプリントパターンを起こす(アートワーク)。
(2)生基板にプリントパターンを転写する。
(3)パターン以外の不要な銅箔をエッチング液で溶かす。
(4)水洗いをしてパターン膜を除去する。
(5)部品取り付け用の穴をあける。

(1)のアートワークは、手作業では技術もセンスも要求される職人芸のようなところがありましたが、プリント基板CADの普及によって、アマチュアでもそこそこのものができるようになりました。インターネットの普及した現在は、このアートワークだけを自前で行い、設計データをプリント基板メーカーに送れば、(2)~(5)の面倒な工程はすべてお任せにできるようになっています。パソコンとインターネット回線さえあれば、居ながらにしてプリント基板を手にすることができる時代がやって来たのです。


プリント基板のはんだ付け

プリント基板のはんだ付けは以下のような手順で行います。はんだ付け箇所の予熱、流し込むはんだの量、こて先を離すタイミングがポイントです。

(1)部品の足を基板の穴に差し込み、部品が抜けない程度に曲げる。
(2)はんだ付け箇所にこて先をしっかりと押し当て、熱を十分に伝える。
(3)はんだ付け箇所にはんだの先端を当て、適量のはんだを流し込む。
(4)はんだを離す。こて先は当てたまま1~2秒間は絶対に動かさない。
(5)はんだが十分に流れたらこて先を離す。
(6)はんだが完全に固まったら、余った部品の足をニッパーで切る。

はんだは多すぎず少なすぎず、富士山型にきれいに流れているのが理想とされます。電子工作初心者の場合、製作したものが動作しない原因のほとんどがはんだ付けの不良です。道具(はんだごて)だけでなく、腕と経験が物を言うのがはんだ付けですから、失敗を恐れず繰り返し練習するようにしましょう。
 

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